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500万

じゅんぺー、ソラ君、爆睡さんと4人で春漁が出ている芝居「500万」を観に行きました。客席は超満員!気楽に観られるハートフルコメディでした。春漁の書いたものでなくて春漁が出てる、って芝居がなんたって一番楽しい。無責任なお茶の間のおばちゃんと化し、笑ったり泣いたり(名人)一目惚れしたり(見習い)離れて座ってる爆睡さんが爆睡してないかチラ見したり(ミッション)してました。明日、千秋楽です。http://ameblo.jp/ha-ru-no-u-ta/


 

Tomoyo World (Chicken of men)

ここは2027年の日本。牛肉を生で食することは御法度となり、作っても食べても国家への反逆者として囚われる。そんなある夜、男がひとり「焼肉」と書かれた店に入る。客はひとりもいない。カウンターの一番端に座る。何も注文しないのに、なぜかそっと差し出される小さな器。男は器の中身をチラリと見た瞬間、胸のポケットから銃を抜き、マスターにつきつけた。「オマエ!いったいどういうつもりだ?これはユッケじゃないか!」「はい・・・でも・・・」「でもとはなんだ?ユッケは作った者も食べた者も捕われる。おまえ、俺をぶち込もうって気だな?俺の何を知ってる?いったい何者だ?」男が言い終わるや否や突然店の前にパトカーのサイレン。飛び込んできた三人の警官が男を捕らえた。「おやじ。今日もご苦労だったな」警官のひとりが言った。「いやいやいいんですよー。しかし、なんですかねぇ、ただの小鉢ひとつで本性だすって。肉を食うことのほうが罪深いってなぜ思うんですかね?拳銃もってるほうがよっぽど罪、重いのに」。
騒動が終わり静かになった店の中。マスターはひとり小鉢を片付けようとカウンターに手を伸ばした。手をつけていないその小鉢の中身を捨てるのはしのびなく、指でつまんでそっと口に入れた。その旨さを噛み締めるように目を細め、自分のためにビールを注いだ。ごくりと一口飲んでほっとしたその目に、カウンターの下にある通報ボタンが映る。耳でパトカーのサイレンがフェイドアウトしてゆく。「こんなうまいもんを喰わずに鉄砲だして捕まるってなぁ。だまって喰って帰りゃいいものを・・・。悪党はうまいものが怖いのかねぇ」。マスターは空になった皿を片付け、カウンターを拭き、暖簾をしまいに外に出た。
「人はいったい何が一番怖いのかねぇ」。もうサイレンは聞こえない。マスターは、店の脇に積んである空の段ボールを片付け始めた。段ボールにはロシア語の文字、そして大きなステッカー。「無菌鶏」。ステッカーには日本語でそう印刷されていた。



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