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おつり

31日から、春謡漁介略して春漁の劇団ランドリーが本番中。初日はお祝いなので、歌舞伎座前の辨松(べんまつ)のお赤飯を楽屋に入れた。翌日はお手軽なところで、松屋みたいなガスト(中野駅近く)にて「鶏の立田揚げ丼・お持ち帰り特別価格280円」を差し入れすることにした。

20枚もの食券を買うのは初めてなので、まず千円を入れた。すぐ後ろで兄(本物)が指導に入る。

「まとめ買いをするから、お金をもっと入れて。で、ソコ、5枚を押して。はい、じゃ次、上の丼グループの二番目、そう!ソコ押して」

言われるままに1万円札を投入&完全に兄のロボット化する私の右手人差し指。食券は兄の手を経て、外国人店員に渡された。

「何分くらいかかりますか?15分?わかりました。では20分後にいたしましょう」

現在無職の兄である。持ちぐされとなっているスキルでなめらかなビジネストーク。2件となりのモスバーガーでお茶しつつ待とう、ということになった。私はカフェラテを買うため列に並んだ。

「〇〇円のお返しでございますー」
ぼーっと順番待ちをする私の耳に店員の声。

(あっ!!おつり取るの忘れた!)

兄は私におつりボタンを押せと言わなかった。なんてだめな兄貴だ(ロボットなので、自分は悪くない)。列を抜け、大急ぎでガストに戻る。ガーっと開いたドアのすぐ左、食券自販機の前の男がふたり立っている。

「あのう・・・おつりを取るのを忘れてしまって・・・」

振り返る男たち。

「えっと・・・ぼくらの前に、ヒトがいたので・・・」

男たちと私はゆっくりと視線をカウンターに向けた。一番手前に座っていたリリー・フランキー風の男と目が合った。男はおずおずとポケットから財布を出し、よぼよぼとした指先(爺さんではない)で5千円札を抜いた。そしてその札を私にそっと差し出した。私は、あ、そう、「やった」のはあなたなのですね、そう、そうですか・・・という感じで、視線をそらさず受け取った。

「いくら入れたんですか?」

私の視線はお店の人に移った。

「いちまんいっせんえんです」

「では、おつりは五千四百円ですね」

お店の人は誰も見ないでそう言った。

私とフランキーはまた見つめあった。と、思ったそのすぐ後、 彼は二つ折り財布の小銭ポケットをあけ、追加400円、を私に差し出した。

「あ・・・ありがとうございます」

と言って受け取る私。

店を出た。

(犯人・・・)

と心がつぶやいた。

(犯人に礼を言ってしまった・・・)

モスに戻って兄にそれを話した。お礼を言ったの?と笑われ、なんとなく「いい話」ということになった。が、正直いい話でもなんでもない・笑 私たち兄妹がだまされ大金を失った人生であるのも無理はないと自覚し、注意しあうべきが当然の、観劇前の事件なのであった。
(笑ってね!)




そんな私は劇場で物販担当中。おつりはちゃんとお渡しします!

面白いので観に来てください。
劇団ランドリー公演中。中野・劇場ホープにて9月9日まで。

ご予約は
090-7814-1303/pu4484@gmail.com (担当:金子)
りんだブログ見たよ、と言って(書いて)くださいね!

公演日程と詳細はこちらからドゾ→ http://4484.jp

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