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イキウメ=前川知大さんの作品のファンであるが、同じ公演を複数回観ることはあまりない。だが、今回は今日で二回目、そして千秋楽にもチケットを取っている。聖書で描かれる終末に、選ばれし者の姿をこの舞台上のひとりひとりに重ね合わせるとき、大窪人衛君には如実にその才を(淘汰されない者の存在を)感じる。それは彼の役者としての実力ではないだろうか。興味深く、その芝居を追っていたい数少ない役者のひとりである。

「スターウォーズをリミックスしたらこんな風なのかも」と、初回に思った。浜田さんはC3POに見えたし、人衛君はR2D2に見えた。二回目の今回はもっともっと、ステージは宇宙であった。旅公演もあるので、ネタバレは御法度。好きなシーンを具体的に書くことはできない。が、好き嫌いを越えて、イキウメはもう完璧に小劇場と縁を切った。私は「普通に見えること」が良質のエンターテイメントだと思っている。そういう意味で、とても普通に観る事ができた。それは、私個人レベルではあるが賞賛の言葉である。

果たして、私の中で何が変化したのか。愛しき物や人への視線?倫理観が異なるものへの興味?確実に私の中で何かが変化しつつある。それは自分の内なる世界が広がったということかもしれない。この芝居が私にそれを教える。

千秋楽がとても楽しみだ。役者たちのコンペのようなシーンが随所にあるから。最後の日、それが明らかになる(もちろん私個人の趣味として)。わくわくする。スペースオペラと評されるスターウォーズに共通する神話としてのこの物語の世界に、いつまでも何度でも戻れるよう、しっかりと観ておきたい。

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